Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Lisez 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 012 caractères · 245 écrans
どれもみな、世の下積みにひしがれた、あわれな雑草の生活の姿でないものはない。けれど、ここのぬかるみに根をおろして、生きぬき、生き合おうとする生命の群れとして観ると、おそろしい生存の闘いが、人の思慮分別をくらまし合っているような雰囲気でもあった。どこかで、煮焼きする食べ物の煙りは、黒い人混みの秘密をつつみ隠しているようだし、辻博奕だの、淫らな女たちの嬌笑だの、あかん坊の泣き声だの、放下師の鼓だの、そのほか識別しがたい臭気と物音が、耳の穴へ混み入ってくる。いってみれば、百敷の大宮人たちの貴族文化に張り合って、ここの人びとが身相応に誇って持つ唯一の楽園なのである。凡下や地下人だけの花の都なのだ。――だからこそ、清盛の父も、いうのである。あんな場所へ、ゆめ、近づいてはならんぞと。
ところが、清盛は、ここが好きだ。ここの人間たちにも親しめる。市場の西の大榎の下では、“醜草市”とも、ただ“クサ市”ともよぶ泥棒市がときどき立つが、それさえ、かれには、愉快に見えた。
『なあんだ。やれ強盗だの、山賊だのというが、こうして、食えていれば、仲よく暮しているではないか。