Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

Lisez 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 012 caractères · 245 écrans

Aozora Bunko

ただ、さすがに庭面は、主のゆとりというものか、この自然をよく生かし、掃除もとどいて清洒である。

『……おや。だれかいるな』

ヘイライひとり出て来なかったが、ふと、泉殿のほとりを見ると、姉妹ともみえるふたりの女性が、裳をからげ、そでもむすんで、白い脛もあらわに、流れで何か濯いでいた。

『あ。……ここの姫かしら。そうらしいぞ』

清盛はにわかに、きょうの使が、楽しまれた。

姉妹とすれば、姉なるひとと妹との、間の者が、さっきの小冠者にちがいない。――妹はまだうない髪の童女である。姉のほうは、さて、幾歳かしら。

『ははあ。糸を染めておいでなさるのだ。染桶があるし、勾欄から紅葉の木へ、濯ぎあげた五色の糸を、懸けつらねて、干してもある。……はて、何と訪なおう。おどろかしてもよくないし』

だが、かれが言葉もかけないうちに、幼い姫が、かれを見つけた。姉に何か告げている様子である。と思ううち、急にふたりとも、対ノ屋の方へ、走りこんでしまった。

あとには、水禽だけが、游んでいた。清盛は、腹が立たなかった。むしろ、よいいとまをもったように、流れで、手など洗い、曲がっている烏帽子を、まっ直に、正したりした。