Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

Lisez 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 012 caractères · 245 écrans

Aozora Bunko

ずぼらで、粗いくせに、一面には、竪琴の絃が微風に鳴るような神経がかれにはある。いわんや、父忠盛にあるこのごろの気もちや、こうして、面とむかいあっている時信の心ぐらい、読みきれないかれではない。

(ははあ……)と、解けて、解けない容子もしていられるかれだった。ずるさではなく持ちまえの大まかな顔の徳なのだ。そこで、円座いっぱいにすわりなおして、ひけ目は禁物、大いに飲んで、充分、こっちの人間も見せ、かの女の美か否かも、はらをすえて見るべきだと、ひそかに思う。

姉なる姫は、おりおり、席にすがたを見せては、また、気をもたせるように、ひっこんでゆき。また、いつのまにか、父のそばに、侍っていた。美人とはいえないが、一人前ではある。下ぶくれで、肌理白く、有難いことには、おやじほどには、鼻もとがり過ぎていない。

でも、親の時信には、秘蔵のむすめには、ちがいなく。

『さきほど、泉殿で、見かけられたであろうが、これが姉の姫じゃ、時子というてな。……え? 妹かの。滋子の方は、まだ、まことに、幼のうてな。呼ばせても、ここへ来おるまい。まあまあ呼ばいでもよい』

時信は、こう、ひきあわせたが、心なしか、微酔の眼もとに、老の影を、ただよわせた。