Classiques japonais avec furigana
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しんのあいこくしん
新渡戸稲造論集
新渡戸 稲造
Lisez 新渡戸稲造論集 (しんのあいこくしん) de 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 620 caractères · 196 écrans
これに付いてちょっと御話申しておきますが、私が一つ大切にして持っているものは真鍮の小さな人形ですが、百姓が笠を持って稲叢の側に休んでいるところを彫んだ像です。これは水戸黄門卿が数多拵えられて一族に悉く分けてお遣りになったのである。今でも水戸家の御方は、若い御方はどうか知れませんが、年寄の御方は大抵この人形を持っておられる。その所以はこの人形を食事ごとにお膳の上に置き、御飯粒を三粒なり四粒なり取って百姓の笠の上に載せて暫く黙念する、この御飯は百姓の作ったのである。粒々皆辛苦、実にこれは勿体ないものである。決して粗怱にしてはならぬ、また美味いの不味いのと叱言を言うな、有難いと思うて喫べろ、というのである。かくのごとき練習が日に三度ずつあるがため、講釈も何もしないでこの民を念う心が養われ、遺伝的にズッと続いて来るかと思う。そういうような訳で、善いことならば日に何遍でも繰返して習いとなし、遂に性とするのが頗る良法でなかろうか。まだこの外に意志の練磨の方法、また吾々教育家として大切な児童を預るに付けて己自ら先きに修むべき点は沢山あると思われます。言うまでもなく諸君の方は一層我輩よりも感じていらっしゃるであろうが、私はホンの時のある限り三つ四つの点だけを述べたに過ぎません。