Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lisez 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 247 330 caractères · 497 écrans
芥川の影燈籠も一つの魅力なり。
今夜からは、寒いので、親子三人どうしても一つの寝床にはいらねばならぬ。蒲団の後からぬっと脚をさしこむ気がしない。ああ、せめて二枚の蒲団よ、どこからか降って来ないものか。しんしんと冷える。母と義父はもう寝床で背中あわせに高いびきなり。
電気をひくくさげて、ペン先きにたっぷりとインキをふくませて、紙の上にタプタプとおとしてみる。いい考えも湧いて来そうな気がしていながら、仲々神霊は湧いて来ない。
行きくれた、この貧しい老夫婦の寝姿を横にしては胸もつまってしまう。壁ぎわに電気を吊りかえて、小さい茶餉台に向う。
二三頁も詩ばかり書きつらねて、講談は一行も書けない。トタン屋根にそうぞうしくあたる雨脚に、頭はこっぱみじんに破れそうなり。運命尽きぬオタアロオなり。
お前もわしも男運がないと云った母の言葉を想い出して、ふっと「男運」と云う小説らしきものを書いてみたき気持ちがするけれども、それもものうく馬鹿馬鹿しく、やめてしまう。
根が雑草の私生子で、男運などとは口はばたきいいなり。伊勢物語ではないけれども、昔男ありけり、性猛々しく、乞食を笑いつつ乞食よりもおとれる貧しき生活をすとて、女に自殺せばやと誘う。