Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lisez 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 172 caractères · 277 écrans

Aozora Bunko

「大阪の千日前へ芦辺倶楽部というのが出来るそうで、師匠が出てくれるならば、月額千円は出すというのだそうだ。」

九女八は、考え、考え、台助の小指をいじりながら、

「見世物小屋ではないでしょうかねえ。でも、お金が溜れば、も一度、何か、やって見る事も出来るでしょうから――」

「一年十二ヶ月、頭から約束しようというのだが――痛えよう。」

と、台助は足をひっこめた。

「そりゃそうと、繁の井を久しくやらないね。」

「染分手綱ですか――繁の井をすると、思い出すものね。」

弟子分だった沢村紀久八が、お乳の人繁の井をしていて、じねんじょの三吉との子別れに、あんまりよく似ている身の上につまされ、役と自分とのわけめがつかなくなって、舞台で気の狂ってしまったことを思い出すからだった。

しかも、その、女役者紀久八は小説にもなり狂言にもなっている。佐藤紅緑氏の「侠艶録」の力枝という女役者は、舞台で気の狂った紀久八がモデルであった。小栗風葉だったかのに、「鬘下地」というのがある。

「紀久八は舞台で気狂いになったが――あたしは舞台で死ねれば本望だ。なあに、小芝居だって見世物小屋だって、お客さまはみんな眼玉をもってらっしゃる。