Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lisez 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 172 caractères · 277 écrans
その家でのびのびと育って年頃のあまり違わない兄や、姉のある実家に取られてから、漁師言葉のあらくれたのも愛敬に、愛されて、幸福に、華やいだ生涯の来るのを待っていたが、花ならばこれから咲こうとする十六の年に、暗い運命の一歩にふみだした。ういういしい花嫁君の行く道には、祝いの花がまかれないで、呪いの手が開げられていたのか、京都下加茂の北小路家へ迎えられるとほどもなく、男の子一人を産んで帰った。その十六の年の日記こそ、涙の綴りの書出しであった。
芸術の神は嫉妬深いものだという。涙に裂くパンの味を知らない幸福なものには窺い知れない殿堂だという。
だが、※(「火+華」、第3水準1-87-62)子さんは明治四十四年の春、廿七歳のとき、伯爵母堂とともに別居していた麻布笄町の別邸から、福岡の炭鉱王伊藤伝右衛門氏にとつぐまで、別段文芸に関心はもっていられなかったようだった。竹柏園に通われたこともあったようだったが、ぬきんでた詠があるとはきかなかった。しかし、その結婚から、※(「火+華」、第3水準1-87-62)子さんという美しい女性の存在が世に知られて、物議をも醸した。