Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lisez 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 172 caractères · 277 écrans

Aozora Bunko

昨日までは、精神的の苦痛はあっても、いわゆる我儘な生活が出来たのだ。こんどは、精神的幸福はあっても、我儘な生活が出来るわけがないではないかといいたかった。ほんとの、生きた生活に直面するのに――生きた生活とは、そんな生優しいものではない。

長男香織さんは生れた。生れる子供の籍だけは、こちらへほしいとは伝右衛門氏の願いだった。柳原家で拒んだのだという。生れた子のことで、※(「火+華」、第3水準1-87-62)子さんは姿をかくさなければならなかった。わたしは子供を離さずに転々していた※(「火+華」、第3水準1-87-62)子さんを、あんなに好いたことはなかった。昨日は下総に、明日は京都の尼寺にと、行衛のさだまらないのを、はらはらして遠く見ていた。あとでの話では、かえってその時分は経済的に楽だったのだということで、何処かしらから物質は乏しくなく届いていた。愁かったのは宮崎家の人となってから、馴れぬ上に、幼児は二人になり、竜介氏は喀血がつづいて――ただ一人のたよりの人は喀血がつづく容体で――その時の心持ちはと、あるとき、語りながら※(「火+華」、第3水準1-87-62)子さんは面をふせた。