Classiques japonais avec furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lisez 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 172 caractères · 277 écrans
――兄光瑞師――新門様――法主の後嗣者が革命児で、廿二、三歳で、南洋や、西蔵へいっていることを見ても、その人たちと似た気性といえば、武子さんはなみなみの小さい器ではない。
しかし、愛された父法主は逝き、新門跡は印度にいてまだ帰らず、ここで、木のぼりをしても叱られないでお猿さんと愛称された愛娘に、目に見えない生活の一転期があったことを、見逃せない。それは、新門跡夫人の父君、九条道孝公が、家扶をつれて急いで東京から来着し、主な役僧一同へ、
――かねて双方の間に約束いたしおきたることは、もし当山に万一の事ありし時は、速かに私が罷り出て、精々御助力いたすべく――
これはみな、前記山中氏の著書のなかにあるから、信頼してよいものと思う。こうなると、前法主お裏方の勢力も、お生母さんのお藤の方もなにもない、お裏方よりは愛妾お藤の方のほうが、実はすべてをやっていたのだというが、もはや新門跡夫人の内房でなければならない。と、同時に、武子さんの位置もおなじお姫さまでも、かわったといわなければならない。
十八、十九、二十と、山中氏の著書の中にも、美しき姫の御縁談御縁談と、ところどころに書いてあるが、武子姫の御縁談のことを、重だってお考えになる方は、お姉君の籌子夫人が、その任に当られるようになりましたとある。