Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans

Aozora Bunko

エッフェル塔が次第に後になって行くに随って河岸に連るマロニエの幹も太さを増した。およそ二抱えもあろうか。磨かぬ石炭のように黒黒と堅そうな幹は盛り繁った若葉を垂れ、その葉叢の一群ごとに、やがて花になろうとする穂のうす白い蕾も頭を擡げようとしていた。

晩餐にはまだ間があった。矢代と久慈はセーヌ河に添ってナポレオンの墓場のあるアンバリイドの傍まで来た。燻んだ黒い建物や彫像の襞の雨と風に打たれる凸線の部分は、雪を冠ったように白く浮き上って見えている。

その前にかかった橋は世界第一と称せられるものであるが、見たところ白い象牙の宝冠のようである。欄柱に群り立った鈴のような白球灯と豊麗な女神の立像は、対岸の緑色濃やかなサンゼリゼの森の上に浮き上り、樹間を流れる自動車も橋の女神の使者かと見えるほど、この橋は壮麗を極めていた。

矢代は間もなく見る千鶴子の様子を考えてみた。彼の頭に浮んだものは、日本から来るまでの船中の千鶴子の姿であったが、定めし彼女も別れてからはさまざまな苦労を自分同様に続けたことであろうと思われた。

「千鶴子さん、長くパリにいるのかね。」

と矢代は久慈に訊ねてみた。