Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans

Aozora Bunko

久慈は、塩野の脇腹からちらりと眼を開けたパリの歴史の首を見た思いで、瞬間ぞッと鬼気に襲われ我知らず周囲を見廻して黙った。

「今日はこれや、死にそうだ。君たちも来てくれないかな。」

興奮のため幾らか青くなって来ている塩野に、

「よし、行こう。」

と久慈は云って立ち上った。

「三時半ごろになると事務所のものがいなくなるから、そのとき注意して行けと云ってたが、もう良いだろうな。」

「見られたってかまやしないさ。キリストに君は招かれたんだよ。」

久慈は躊躇している真紀子に、

「あなたもいらっしゃいよ。千載一遇の好機だから、僕らも中で俳句を作ろう。」

「だって、恐いわ。そんな所。」

尻ごみして進まぬ真紀子の腕を久慈は捕え、塩野のあとから裏門の方へ近よった。裏口から四人は中へ這入ると掃除のしてある部屋が二つあった。そこを通りぬけて階段を一つ上った二階のところにバルコンが見えたが、そこから塩野は、角度を選んで裏口の写真を四五枚も撮った。バルコンの次ぎに大広間が拡がっている。それを横切って階段をまた昇ると初めて三階に出た。一同を喰い止めている鉄の扉のあったのもそこだった。その扉も鍵を合すと無造作に開いたので、そとへ出られるらしい気配のまま歩いているうちに、いつの間にか正面の『諸王の廊下』