Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
今度は矢代と千鶴子の二人だった。皆初めての者ではなかったので挨拶は簡単にすんだ。椅子が一つ不足していたから真紀子は浴室のを持ち出して来て自分のにあて、電話でコーヒーとウィスキーを下へ頼んだ。五人がテーブルを包み座をそれぞれに定めたとき、暫く妙に白んだ気重い沈黙がつづいたが、久慈は見事にそれも突き崩した。
「高さん、あなた覚えてらっしゃるかしら、沖さんという爺さんが僕らの船のグループにいたの。あの人先日ノルマンデイで日本へ帰ったんですが、帰るとき面白いことを云ってましたよ。僕らはヨーロッパで何をして来たかしらないけど、まア来たからには、何かの意味で遣欧使だから、まんざら役に立たぬこともあるまいというのですね。あの爺さんでもそのつもりなんですから、これで僕らも実はその気持ちにならなくちゃならんと思って、考えているんですが、どうですかね、高さん方、中国の人たちもそんな気持ちは無論お持ちでしょうね。そういう所を一つ今夜はお聞きしたいんです。」
「それはあなたがたより僕らの方がその気持ち強いと思います。」
と高は頬に片手をあてたまま腹部を椅子の背にへこませて答えた。