Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
」
と佐佐は云った。佐佐の父はもう亡くなっていなかったが、生前は真宗の大黒柱と云われた仏教学者であった。漢学者の塩野の亡くなった父とは友人で、二人はまた絶えず生前仏教と儒教との立場の違いのために、論争ばかししてどちらも死んだということを矢代は塩野から聞いたことがあった。今もそのような関係が二人の子供の心の上にも連想を呼び覚したものと見え、佐佐がむくむく起き出して来たようにそう云うのとともに、カソリックの塩野の表情もそれにつれて変って来た。
「それは十六世紀のカソリックの政治が悪かったのだよ。あのころはスペインとポルトガルとの闘争時代だから、どっちも罪の擦りつけ合いをした結果が、悪宣伝の泥仕合になったのさ、何もカソリックそのものの精神は悪くはないよ。もし日本にカソリックがなかったら、外国との交際ということは、これからも絶対に不可能だからね。」
「それにしてもだ。祖先崇拝を悪いというカソリックの主意は、今も変らないね。日本の道徳の根源が祖先崇拝なら、これを認めぬという宗旨とは、必ずどこかで衝突せずにはおれないさ、カソリックは霊魂を認めるくせに、その国の祖先の霊魂を否定するというのは、僕には分らないのだ。