Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
それはその可能性があるとしても、頼み込むべき筋合のものではなかったが、千鶴子が気に入りの侯爵夫人に、自身の方の両親を説きすすめて貰う努力をしているのが瞭かな現在、こちらもそれに相応した説得者として、ひそかに久木男爵を選び考えたのは、特に男爵に面倒をかけることでもなく、ただ一筆両親へ手紙を書いて貰えれば良かったからである。それにしても、もしそんなことでもすれば、父は分を知らぬ子の行いに、ますます怒ることなど矢代には眼に見えた。
下枝を移っていく鶯を眺めながら、彼は、この上久木男爵に会って親しくなれば、頭に泛んだことも頼み込みかねない自分を知り、やはり男爵とはもう再び会うまいと決心するのだった。
「お父さんが久木さんの会社にいたのは、幾つぐらいのときだったんですか。」
「そうね、ちょうどあなたほどの年だったかしら。あなたの生れたときは、久木さんの会社にお勤めだったから、早いもんだわ、もう三十年以上になるんだね。お正月になると、社長の久木さんが社員の前へ出て御挨拶なさるだけで、一年に一ぺんお顔が見られたもんだそうですよ。それにあなたの昨夕のお話本当なら、それはお父さん、愕きなさるわ。