Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
クーポールの中は歌舞伎座の中とよく似ていた。太い円柱、淡桃色の壁、階下から階上へ突き抜けた天井と、見れば見るほど歌舞伎座の大玄関である。
「パリにいる日本の方、みな半気違いに見えるわ。それであなたがた何ともありませんの。」千鶴子は料理の註文を終ったとき矢代に訊ねた。
「そうだな、たしかにそんなところありますよ。僕なんかそろそろ怪しい。」
「合理主義を疑い出しちゃ、気違いになるより仕方がないよ。」と久慈はまだ東野に打たれた前の傷が頭に響いてやまぬらしかった。
「君の合理主義なんか日本から持って来た物尺だよ。一度験べてみ給え。印度洋で延びてるから。」
強いて久慈と争うつもりももう矢代にはなかったが、千鶴子とアンリエットとの次第に強まる無言の敵意を感じると、むしろ、今は男同士の争いをつづける方が愉快に食事の場だけも柔らぐだろうと矢代は思うのだった。しかし、事態は一層険悪になって来た。ぶつりとしたまま誰も話そうともしなければ、顔さえ見合すことも互に避け合って黙っていた。
「ここのお料理、綺麗ね。」
千鶴子はふと一同の沈んだ様子に気附いたらしく、円柱の間を曳いて廻る料理台の新鮮な魚の列を見て云った。