Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょかんについて
旅館について
山本 周五郎
Lisez 旅館について (りょかんについて) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 912 caractères · 16 écrans
「慥かにあの座敷だと思ったがな」と私は廊下をあるきながら呟いた、「ここをこう曲るだろう、そして二段あがるところがあって、すぐ左の――慥かにあの部屋だった筈なんだ」
私は立停り「のぶさーん」と叫び、「くにのりー」と叫んで聞き耳をたてた。若い友人のくにのりは耳ざといたちで、私が呼べばたいていの場合すぐに返辞をするのが通例であった。それがぜんぜん反応がない、話し声も聞えないのである。私は廊下を往ったり来たりし、見当をつけては二人の名を呼んだ。どの座敷もいっぱいの客だと、まえの晩に聞いていたから、客たちの安眠を妨害するほど大きな声はだせない。どうしようと、途方にくれていると、若いきれいな女中さんが通りかかった。私は助かったと思った。
「ちょっと聞きますが」と私は女中を呼び止め、私の顔を判別してもらうため、指で自分の鼻をさし示した、「この、ぼくのつれの部屋はどこでしょうか」
女中さんは済まなそうに、あいそよく微笑しながら答えた、「さあ、わたくし交代したばかりですからわかりません」
なるほど、交代という手があったんだな、私は礼を述べ詑びを云ってあるきだした。待てよ、と私は考えた。