Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
Lisez 日は輝けり (ひはかがやけり) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 76 445 caractères · 152 écrans
咲二が壁土をたべる癖の起ったのは、いつごろからだか誰も、はっきり知るものはなかった。が、ともかくお咲が見つけたのだけでも、今度で四度目である。一番最初には、茶の間の隅で、何だかしきりに食べている彼の口のまわりが、泥だらけになっているのから、気のつき出したことであった。
何だか並みでないところのある息子を、どうぞ一人前に成人出来るようにと、全力を尽しているお咲は、どんなに情けないか分らなかった。恥かしくって人にも聞かされない。行燈の油をなめるものがあったという話を思い出すと、たまらなかったのである。
「何という情けないことだろうねえ。咲ちゃん! お前はどうして母さんが、こんなにいけないと云うのに聞き分けないの?(お咲は急に声をひそめて、彼の耳の辺でささやいた。)壁を食べるなんていうのは、お乞食だってしませんよ。どうぞ止めて頂戴、ね? 母さんこうやってたのむわ」お咲は泣きながら、咲二の前に跪ずいて、両手を合わせた。けれども彼はけろんとしていた。お咲は突っかかって来る悲しみを、押えきれないで、塵くさい咲二の足につかまって泣き伏してしまった。それでも咲二は、涙を浮べさえしない。