Classiques japonais avec furigana
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にほんのでんせつ
日本の伝説
柳田 国男
Lisez 日本の伝説 (にほんのでんせつ) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 931 caractères · 207 écrans
同じような不思議は実はまだ方々にありました。それを少しばかりお話して見ましょう。
摂津有馬の温泉には、人が近くへ寄って大声で悪口をいうと、忽ち湧き上るという小さな湯口があって、これを後妻湯と呼んでおりました。うわなりという言葉は後妻のことですが、後に女の喧嘩のことをいうようになってからは、別に悪口をする者はなくても、若い娘などが美しく化粧をして湯の傍に行くと、すぐに怒って湧き立つという評判になり、それを妬みの湯という人もありました。これなどはよほど姥が池の話と似ております。(摂津名所図会。兵庫県有馬郡有馬町)
野州の那須の温泉でも、もとは湯本から三町ばかり離れて、教伝地獄というところがありました。人がそこへ行って、「教伝甲斐ない」と大きな声でどなると、たちまちぐらぐらと湯が湧いたといいます。昔教伝という男は山へ薪を採りに行く時に、朝飯が遅くなって友だちが先に行くのに腹を立てて、母親を踏み倒して出かけたので、其罰でその魂がいつまでも、こんなところにいるのだという話もありました。(因果物語。栃木県那須郡那須村湯本)
伊豆の熱海にはまた平左衛門湯というのがあって、「平左衛門甲斐ない」