Classiques japonais avec furigana
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
Lisez 日本の諸国物語 (せっしょうせき) de 楠山 正雄 (くすやままさお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 75 040 caractères · 158 écrans
四
四
おそろしかった一夜は明けて、翌朝になりました。しかし、なかなか、六部も犬も帰って来ませんでした。娘のふた親は心配して、村の人々と相談して、様子を見に山へ上がっていきました。
「ばかな六部め。よけいなところへ飛び出して、神さまのお罰をうけたに違いない。そのたたりが村にかかってこなければいいが。」
こんなことをぶつぶついいながら、大ぜいぞろぞろ、山を上がっていきました。やっとお社の前までたどり着いてみますと、どうでしょう、そこらは一面、気味の悪いような血の川で、そこにもここにも、かみ倒された大きな猿の死骸がごろごろしていました。その中でいちばん大きい、※※のような形の大猿を、しっかりと押さえつけたまま、六部もしっぺい太郎も倒れていました。こわごわそばへ寄ってみますと、化け物はしっぺい太郎に深くのど首をくいつかれて死んでいました。しっぺい太郎も、化け物のため、力まかせにのどをつかまれて、これも息が絶えていました。けれども六部は、あまり働いて息が切れて、気絶しただけでしたから、みんなが抱き起こして介抱すると、たちまち息を吹き返しました。
これで、毎年村を荒らして、人身御供を取る荒神の正体が、じつは猿の化け物であったことが分かって、村のものはやっと安心しました。