Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lisez 日本婦道記 (にほんふどうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 170 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

なんとしても寝床へは戻らなかった、頻りに牧二郎を負いたがるので、紐で背負わせてやると、こんどは松山へ立つために支度のできている荷物を持ちだして、「ああ、ああ」と外を指さしながら、すぐにも旅立ってゆこうという意味を身振りで示した。

「こんなにもお供をしてまいりたかったのでございましょうか」多助は哀れな妹の姿から眼を外らせながら云った、「……一旦は家へ帰ると申しましたが、本心はやっぱり御奉公がしていたかったのでございましょう、途中からひき返してまいりましたのは、たぶんもうひと眼坊さまにお暇乞いでもする積りだったのでしょうが、それがこんな分別もつかぬ者になった、……ごらん下さいまし、自分では松山へお供をする気だとみえます」

靱負には答える言葉がなかった、多助はいちど帰って妻を伴れて来ると云い、折から降りだした時雨のなかへと小走りに出ていった。……然しそのとき既に靱負の考えはきまっていた、彼はおかやを松山へ伴れてゆこうと思い決めたのである。多助の云うとおりおかやは暇を取りたくなかった、困窮している主人への義理か、幼弱な牧二郎への愛着か、理由はわからないが、ともかく新沼家から出たくなかった、思いがけぬ奇禍で白痴になってさえ、松山へ供をしてゆく積りでいる。