Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にっき

日記

宮本 百合子

Lisez 日記 (にっき) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 65 193 caractères · 131 écrans

Aozora Bunko

音楽を聴いたり何かし、夕飯前二人帰京す。春江ちゃん少し亢奮したらしく、風呂に入った後、二時迄、Tさんと自分とを御対手にして居た。

いつも独りで眠る為、緊張して容易に眠に入れないのに、今夜は二人で嬉しいと云う。それをきいては、国男さんに、出来る丈独りで寝ろと云ったことも実行し難いと知る。全くよろこばれるのを見、自分の病気などはまるで知らずに居るのを思うと、Tさんのように頑ばれない。春江ちゃんがあまり可哀そうなので、Tさんに

「貴女春江ちゃんとおねにならないの?」

と訊いて見た。

「ええ」

「どうして? 可哀そうね、少し」

「あちらの三畳にねつけたものですから、何だかあっちがよくて」

Tのかたくなな処が、彼女の不幸の原因になって居るのではあるまいかと思う。

子供を産み、それに死なれ、自分も離婚迄したら心の痛手は深かろうと同情はされる。然し、不幸だからと云って、かたくなになり、自分の不幸ほか見ず、人に、お前の苦痛でも、煩悩でも、まだまだだと云う冷淡を感じさせるのは、自身の不幸を増すことになる。その人と不幸と、いつも手を握り合って居るのを、ひとが常態だとし、自分もそう狭く世界を見切って仕舞うから。