Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうしゅじん

旧主人・芽生

島崎 藤村

Lisez 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 813 caractères · 302 écrans

Aozora Bunko

看護婦だの、身内のものだのが取囲(とりま)いている寝台の側に立って、皆川医学士はその学生らしい人にお房の病状を説明して聞かせた。そして、子供の足を撫(な)でたり、腹部を指して見せたりした。学生らしい人は又、こういう時に経験して置こうという風で、学士の説明に耳を傾けていた。学士達の中には、まだ年も若く、ここへ来たばかりで、冷静に成ろう成ろうと勉めているような人もあった。

病院へ来て二週間目にあたるという晩には、お房は最早(もう)耳もよく聴えなかった。唯、物を言いたそうにする口――下唇を突出すようにして、息づかいをする口だけ残った。過度の疲労と、睡眠の不足とで、私達は半分眠りながら看護した。夜の二時半頃、私は交代で起きて、附添の女や家内を休ませたが、二人は横に成ったかと思うと直に死んだように成って了った。どうかすると、私も病人の寝台に身体を持たせ掛けたまま、まるで無感覚の状態(ありさま)に居ることもあった。

翌朝(よくあさ)に成って、附添の女は私達の為に賄(まかない)の膳を運んで来た。

「オイ、その膳をここへ持って来てくれ」と私は家内に言付けた。

「子供が死んで、親ばかり残るんでは、なんだか勿体(もったい)ない――今朝はここで食おう」