Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうしゅじん

旧主人・芽生

島崎 藤村

Lisez 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 813 caractères · 302 écrans

Aozora Bunko

「なにしろ、十年来の寒さだった。我輩なぞはよく凍え死ななかったようなものだ。若い者だってこの寒さじゃ堪りませんナ」

と学士は言って、汚れた雪の上に降りそそぐ雨を眺め眺め歩いた。

漸く顕れかけた暗い土、黄ばんだ竹の林、まだ枯々とした柿、李、その他三人の眼にある木立の幹も枝も皆な雨に濡れて、黒々と穢い寝恍顔をしていない者は無かった。

大きな洋傘をさしかけて、坂の下の方から話し話しやって来たのは、子安、日下部の二人だった。塾の仲間は雨の中で一緒に成った。

有望な塾の生徒を、しかも十八歳で失ったということは、そこへ皆なの心を集めた。暮に兄の仕立屋へ障子張の手伝いに出掛け、それから急に床に就き、熱は肺から心臓に及び、三人の医者が立会で心臓の水を取った時は四合も出た。四十日ほど病んで死んだ。こう学士が立話をすると、土地から出て植物学を専攻した日下部は亡くなった生徒の幼少い時のことなどを知っていて、十歳の頃から病身な母親の世話をして、朝は自分で飯を炊き母の髪まで結って置いて、それから小学校へ行った……病中も、母親の見えるところに自分の床を敷かせてあった、と話した。