Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Lisez 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 813 caractères · 302 écrans
「源、お前(めえ)も握飯(むすび)はどうだい。たべろよ。沢山(たんと)あって残っても困るに」
「ああ」と源は夢中の返事、胸の中には勝負のことが往ったり来たりするばかり。名誉心の為に駆られて、饑渇(うえかわ)いて、唯もうそわそわとしておりました。
「これさ。たべろよ」
という母親(おふくろ)の言葉に、お隅は握飯(むすび)を取って、源の手に握らせました。源は夢中で、一口それを頬張って、ぷいと厩の方へ駆出して行って了いました。
御茶番から羽織袴(はかま)で出て来た赤ら顔の農夫は源の父(おやじ)です。そこここと見廻して、
「源は来やせんか」と母親(おふくろ)に皺枯声(しゃがれごえ)で尋ねる。
「今、爰(ここ)に居たが、どこかへ駆走(とっぱし)っちゃった」
「彼奴(あいつ)にも困っちまう。今日は恰(まる)で狂人(きちがい)みたよう。私(わし)が、宮様へ上(あげ)る玉露の御相伴をさしたい、御茶菓子の麦落雁(むぎらくがん)も頂かせたい、と思って先刻(さっき)から探しているんだけど」
叔母は引取って、
「源さの大(いか)くなったには、私(わし)魂消(たまげ)た。全然(まるで)、見違えるように。