Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
そうしゅん
早春
豊島 与志雄
Lisez 早春 (そうしゅん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 457 caractères · 20 écrans
近くで見たのは、いや、ほんとに逢ったのは、初めてだ。梅子さんは日向にひきずりだした布団の上に、脇息にもたれて坐っていた。髪はおさげにして編んでいる。※(「糸+慍のつくり」、第3水準1-90-18)袍にくるまった体はひどく細そりしている。ほんの少女という恰好だ。でも顔は一人前の女で、朝日の光りを受けてるせいか、肌が透き通ってるように見える。眼が黒々として底が分らない。下頬にぽつりと肉のふくらみがあって、小さな受け口だ。その全体がおれにはびっくりするほど美しく思われた。兄さんには殆んど似ていない。しいて探せば、額と耳が似てるぐらいだろう。
おれがびっくりして梅子さんを見ていると、北川さんは言った。
「梅子は、君を医者よりも頼りにしてるよ。薬より魚の方が好きだからね。」
おれは顔が赤くなるのを感じた。
「ほんとに、いつも有難いと思っていますの。」
そう言って、梅子さんは黒々とした眼でじっとおれを見た。おれはへんに口が利けないで、眼を伏せた。
「その代り、お前の、童話を読ませてやったよ。」と北川さんは言った。「そら、お前が考えて、僕が書いたやつさ。」
梅子さんはただ笑っていた。