Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lisez 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 820 caractères · 54 écrans

Aozora Bunko

アア、そうか、と二人の娘はうなずいた。

「御自分のお部屋でお休みなさるといいわ。ア、そうだ。木々彦さまはどうなさッたろう」

「どこかで休んでいるでしょう。お兄さまッて、時々あんな妙な風になる人よ。変に凝り性のところがあるらしいわ」

英信は、身動きせず、頬杖をついていた。二人の娘たちも文彦も、薄気味わるくなった。彼女らがソッと立上りかけた時であった。誰かのけたたましい叫びが起ったのである。大勢ののしり騒ぐ声に変った。それは離れていて、シカとききとれなかったが、やがて一人の声が叫びつつ近づいてきで、火事だ、火事だ、と叫んでいるのが分った。それから後は夢中であった。

彼女らは庭へでていた。走っていた。別館の前でボンヤリしていた。別館が燃えているのだ。

別館の中から、けたたましい叫びが起った。助けてくれ、と叫んだようだ。しかし、動物が吠えるような一声が、つづいて、きこえてきただけであった。再び呼び声は起らなかった。それが風守の最期であったのだろう。人々は徒らに走り騒ぐばかりで、火を消す手段を知らなかった。にわかに火が走って、別館の全部にまわった。一時に真昼のように明るくなり、焔にまかれた別館が全部の姿を現わした。