Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はるがくるまえ

春がくる前

小川 未明

Lisez 春がくる前 (はるがくるまえ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 2 341 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

いくらお友だちが、いい生活をしてもうらやみなさるな。帰りには、またきっと立ち寄ってください。」と、木はいいました。

「そんなら、いってきます。」といって、若いうぐいすは、灰色の空をあちらへと、町の方をさして姿を消してしまったのであります。

また、木は独りぼっちとなりました。

どこを見ても真っ白な雪が積もっていました。そして、絶えず寒い風が吹いて、身震いせずにはいられなかったのです。夜になると、星の光がものすごく頭の上を照らしました。

明くる日から、木は、幼いうぐいすのことが気にかかってなりませんでした。無事でいようか、人間に捕まりはしないかと、木は年をとっていましたので、いろいろのことが案じられてなりませんでした。

うぐいすは、町にいって、高い煙突を見ました。車のゆくのを見ました。火の見やぐらを見ました。いろいろなものを見ました。そして、垣根や、軒端に身を隠して、仲間のいる家をのぞきました。すると障子のはまった箱の中に入って、仲間がうたっていました。けれど、その箱はばかに狭く窮屈であったのです。なんだか、そのなき声に、聞き覚えがあったようでした。もう気が詰まるように感じて、そんなことをも考える余裕もなく、ふたたび野原の方を指して飛んできました。