Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はるになるぜんや

春になる前夜

小川 未明

Lisez 春になる前夜 (はるになるぜんや) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 3 856 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

すずめは、もう長い間、この花の国にすんでいましたけれど、かつて、こんなに寒い冬の晩に出あったことがありませんでした。

日が西に沈む時分は、赤く空が燃えるようにみえましたが、日がまったく暮れてしまうと、空の色は、青黒くさえて、寒さで音をたてて凍て破れるかと思われるほどでありました。どの木のこずえも白く霜で光っています。ものすごい月の光が一面に、黙った、広い野原を照らしていたのでありました。

すずめは、一本の枝に止まって、この気味悪い寒い夜を過ごそうとしていたのです。そのとき、ちょうど下の枯れた草原を、おおかみが鼻を鳴らしながら通ってゆきました。

山にも、沢にも、もはや食べるものがなかったので、おおかみはこうして飢じい腹をして、あたりをあてなくうろついているのです。すずめはそれを毎夜のように見るのでした。おおかみも今夜は寒いとみえて、ふっ、ふっと白い息を吐いていました。そして、氷の張った水盤のような月に向かって、訴えるようにほえるのでありました。

すずめは、さすがのおおかみもやはり、今夜はたまらないのだと思って、黙って下を見ていますと、おおかみは、急に腹だたしそうに、もう一度高い声で叫びをあげると、荒野を一目散に、あちらへと駆けていってしまったのです。