Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅんもう

春盲

豊島 与志雄

Lisez 春盲 (しゅんもう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 296 caractères · 17 écrans

Aozora Bunko

先日まで、そこに紫色の斑点が二つあったのだ。それを見つけた時、山田はいやな気持ちになった。紫斑病という言葉を聞きかじっていたので、斑点を仔細に調べ、それから腕や腿をめくって眺め、風呂にはいる時にも体のあちこちを眺めた。どこにも紫色の斑点はなかった。ただ手首に二つだけ。物にぶっつけた記憶もなかったし、虫に刺された覚えもなかった。

そして美津子に逢った時、彼女はいきなり彼の手首を見た。

「あ、御免なさい。」

山田には何のことか分らなかったが、言われてみて思い出した。

美津子と酒を飲んでいて、もうだいぶ酔っ払ってた時のことだ。小母さんの娘の正子が、動物づくし、魚づくし、昆虫づくしなど、きれいな絵本を持って来て見せた。

「おばちゃんに買ってもらったの。」

おばちゃんとは美津子のことだ。

科学的にも正確らしいそれらの絵本を、山田は正子と一緒に楽しく眺めた。たどたどしい読書に耽ってる正子よりも、きれいな絵本に見入ってる正子の方が、清らかで美しかった。その絵本を買ってやったのは美津子だ。正子の額が月光を浴びたように澄んでいた。山田は絵本を近々と覗くふりをして、彼女の方に顔を寄せ、いきなりその頭を抱いて、額にキスしてやった。