Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はる
春
Lisez 春 (はる) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 519 caractères · 20 écrans
しかし篤介との関係になると、ほとんど何ごとも書いてなかった。ただ念入りに繰り返してあるのは彼等は互に愛し合っていると云う、簡単な事実ばかりだった。広子は勿論行の間に彼等の関係を読もうとした。実際またそう思って読んで行けば、疑わしい個所もないではなかった。けれども再応考えて見ると、それも皆彼女の邪推らしかった。広子は今もとりとめのない苛立たしさを感じながら、もう一度何か憂鬱な篤介の姿を思い浮べた。すると急に篤介の匂――篤介の体の発散する匂は干し草に似ているような気がし出した。彼女の経験に誤りがなければ、干し草の匂のする男性はたいてい浅ましい動物的の本能に富んでいるらしかった。広子はそう云う篤介と一しょに純粋な妹を考えるのは考えるのに堪えない心もちがした。
広子の聯想はそれからそれへと、とめどなしに流れつづけた。彼女は汽車の窓側にきちりと膝を重ねたまま、時どき窓の外へ目を移した。汽車は美濃の国境に近い近江の山峡を走っていた。山峡には竹藪や杉林の間に白じろと桜の咲いているのも見えた。「この辺は余ほど寒いと見える。」――広子はいつか嵐山の桜も散り出したことなどを思い出していた。