Classiques japonais avec furigana
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とけいとまどのはなし
時計と窓の話
小川 未明
Lisez 時計と窓の話 (とけいとまどのはなし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 4 803 caractères · 10 écrans
「ご苦労さま。」と、母は、ねぎらいました。
父は、おくから出てきて、
「この時計ですよ、覚えがありませんか。公使の方が持ち帰られたとかいうのですが。」と、主人に見せました。
「そんなことがありましたかな。十年といえば、いや、私だって、このとおり頭がはげましたから、時計が、いたむのもむりはありません。このごろ、日本製でいいのができました。このさい、おとりかえなさるほうが、およろしいかもしれません。」と、主人はいいました。
「こんなになっても、買う人がありますか。」と、父が聞きました。
「それが、おかしなもので、外国製というので、買っていく人がありますから。」と、主人は笑いました。
「ただ、かざりにするなら、この時計は、りっぱなもんだ。」と、父も、笑いました。
主人が時計を持ちさってしまってから、わずか二日ばかりの内に、父は、日本製の新しい目ざまし時計を買ってきてくれました。いかにも、はりきっていて、元気よく、めざまし時計は、シャン、シャン、と、ひびきをへやじゅうにたて、黒い針は、数字の上をまことに正確にさしたのでした。
「このほうが、いいわ。私たちまで元気になったようね。