Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あらしのなか
暴風雨の中
山本 周五郎
Lisez 暴風雨の中 (あらしのなか) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 339 caractères · 30 écrans
一
一
烈風と豪雨が荒れ狂っていた。氾濫した隅田川の水は、すでにこの家の床を浸し、なお強い勢いで増水しつつあった。昨日の未明からまる一日半、大量の雨を伴って吹きとおした南の烈風は、ようやくいまやみそうなけはいをみせ始めていた。まだ少しも弱まってはいないが、ときおり喘ぎのように途切れるし、空を掩って低くはしる雲の動きも、いくらか緩くなってゆくようであった。
三之助は二階の六帖に寝ころんでいた。
二階には部屋が三つあり、その六帖は東の端になっていた。間の襖があけてあるので、他の二部屋も見とおすことができる。そこには畳や襖障子や、その他の家具、箪笥や長持や火鉢や、なにかの箱などがぎっしり積み上げてあった。吹き飛ばされた雨戸の隙からさし込む光りが、それらの家具を片明りに、ほの暗く映しだしていた。それは階下から運びあげたものであった。この家の人たちはそれらの物を運びあげて、朝はやく、まだ暗いうちに逃げていった。
「悪くはなかった、これも一生だ」三之助は口の中で呟いた、「おれはおれなりに自分の一生を持ったんだ」
縞の単衣の胸がはだけ、三尺帯がとけかかっていた。少し痩せてはいるが筋肉のよく緊った、精悍そうな躯つきである。