Classiques japonais avec furigana
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きょくていばきん
曲亭馬琴
邦枝 完二
Lisez 曲亭馬琴 (きょくていばきん) de 邦枝 完二 (くにえだかんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 788 caractères · 24 écrans
これアおいらがいうよりも、おめえの肚に聞いて見たら、いっそ判りが速かろう」
いらいらした京伝の言葉の中には、それでも皮肉に生れ付いた弟を憐れむ気持が、如何にもよく現れていた。
が、これを聞くと同時に、京山の顔には、見る見る不快な色が濃くなって行った。
「よく判りやした。あっしゃアこれから先、あの干物の出入するこの家にゃ、我慢にもいられやせんから、あいつが来る間は、ここの敷居は跨ぎますまい」
「もし、慶さん。――」
お菊の止めるのも聞かずに、そういい切った京山は、いきなり自分の居間へ取って返して、硯と筆とを風呂敷へまるめ込むと、後をも見ずに、小庭口から、雪のおもてへと突ッ走ってしまった。
「ぬしさん。――」
しかし京伝は、お菊の声も耳に入らぬらしく、じっと腕組したまま、おのが膝の上を凝視していた。
「ぬしさん。――」
「うむ」
「慶さんは、どこへ行きなんす」
「どこへも行きゃアしめえ」
「でも、あゝして出て行きいしたからは、滅多に帰っては来いすまい。わたしが傍に附いていながら飛んだ粗相、面目次第もありいせん」
「来たばかりのおめえが、心配するこたアありゃアしねえや。