Classiques japonais avec furigana
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しょについて
書について
高村 光太郎
Lisez 書について (しょについて) de 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 532 caractères · 5 écrans
四
漢魏六朝の碑碣の美はまことに深淵のように怖ろしく、又実にゆたかに意匠の妙を尽している。しかし其は筆跡の忠実な翻刻というよりも、筆と刀との合作と見るべきものがなかなか多く、当時の石工の技能はよほど進んでいたものと見え、石工も亦立派な書家の一部であり、丁度日本の浮世絵に於ける木版師のような位置を持っていたものであろう。それゆえ、古拓をただ徒に肉筆で模し、殊に其の欠磨のあとの感じまで、ぶるぶる書きに書くようになっては却て俗臭堪えがたいものになる。今日所謂六朝風の書家の多くの書が看板字だけの気品しか持たないのは、もともと模すべからざるものを模し、毛筆の自性を殺してひたすら効果ばかりをねらう態度の卑さから来るのである。そういう書を書くものの書などを見ると、ばかばかしい程無神経な俗書であるのが常である。最も高雅なものから最も低俗なものが生れるのは、仏の側に生臭坊主がいるのと同じ通理だ。かかる古碑碣の美はただ眼福として朝夕之に親しみ、書の淵源を探る途として之を究めるのがいいのである。
五
羲之の書と称せられているものは、なるほど多くの人の言う通り清和醇粋である。