Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょさいをちゅうしんにしたいえ
書斎を中心にした家
宮本 百合子
Lisez 書斎を中心にした家 (しょさいをちゅうしんにしたいえ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 739 caractères · 8 écrans
けれども、斯うやって、電車の音のする、古い八畳で、此を書いている以上、今までのすべては、全く私の理想だけであり、或は、空想だけで終るかもしれません。
それは、暇な時には、随分想像を逞しくして、あんな家、此麼家と、考えを廻します。又、何かで肝癪が起り、周囲の物音や、風で吹込む塵までひどく気になるような時は、どんなにでもして、独りで、じっと納っていられる部屋が欲しいと熱求します。
けれども、真個に、部屋なら部屋、机なら机を有効に用っている時――仕事の出来る時――は、まるで家のことなどは忘れ切り結局、その為に、あくせくすることは無くなって仕舞います。
なかなか家などは建てられませんでしょう。少し考えれば、建てられても自分の所有のためには建てないかも知れない。
私は、何も、「自分のもの」とする必要は些も感じていないのですから、金持の土地のある人が、もう少し心持よい貸家を、安全な、リーゾナブルな条件の下に貸して下されば死ぬまで其処にいます。
何でも物が、あまり端的な売買関係にあると、全く人間的感興の欠けたものとなって仕舞う通り、「家」と云うものに対する我々の心持も、あまり、コムマアシャリズムに堕したくないものと思います。