Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つきとあざらし

月とあざらし

小川 未明

Lisez 月とあざらし (つきとあざらし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 817 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

北方の海は、銀色に凍っていました。長い冬の間、太陽はめったにそこへは顔を見せなかったのです。なぜなら、太陽は、陰気なところは、好かなかったからでありました。そして、海は、ちょうど死んだ魚の目のように、どんよりと曇って、毎日、毎日、雪が降っていました。

一ぴきの親のあざらしが、氷山のいただきにうずくまって、ぼんやりとあたりを見まわしていました。そのあざらしは、やさしい心をもったあざらしでありました。秋のはじめに、どこへか、姿の見えなくなった、自分のいとしい子供のことを忘れずに、こうして、毎日あたりを見まわしているのであります。

「どこへいったものだろう……今日も、まだ姿は見えない。」

あざらしは、こう思っていたのでありました。

寒い風は、頻りなしに吹いていました。子供を失った、あざらしは、なにを見ても悲しくてなりませんでした。その時分は、青かった海の色が、いま銀色になっているのを見ても、また、体に降りかかる白雪を見ても、悲しみが心をそそったのであります。

風は、ヒュー、ヒューと音をたてて吹いていました。あざらしは、この風に向かっても、訴えずにはいられなかったのです。