Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つきとてぶくろ

月と手袋

江戸川 乱歩

Lisez 月と手袋 (つきとてぶくろ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 541 caractères · 80 écrans

Aozora Bunko

別に気味わるくも感じなかった。死体はまだ温かかった。石炭ストーヴの熱気で、部屋は熱すぎるくらいなのだから、今から三四十分たっても、死体はまだ温かいだろうと考えた。

所要の品々がそろった。克彦はそれを丸テーブルの上に並べて点検したあとで、箒型のブラシと軍手の片方を手に持って、妙なことをはじめた。箒の先をひとつまみずつにわけ、それを軍手の指の中へおしこんで行くのだ。見るまに箒を芯にした一本の手が出来上がった。

「もうわかっただろう。君が股野の替玉になって一人芝居をやるのだ。股野は長髪だから、君の頭でいい。少しうしろへ掻き上げておけばいい。そして、ベレ帽をかむり、目がねをかけるんだ。それで鼻から上は出来上がる。鼻から下は、ホラ、この軍手で、こういうぐあいに隠すんだ。つまり、誰かが、うしろから君の口をおさえて、声を立てさせまいとしている恰好だ。君はその軍手を引きはなそうと自分の手をかけている気持で、実はこの箒の根もとを持って、口の前に支えていればいいのだ」

これらは、克彦が空想殺人の中で、たびたび考えて、繰り返し検算しておいたことだ。細かい点まで、手にとるようにわかっている。