Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

げつめい

月明

豊島 与志雄

Lisez 月明 (げつめい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 772 caractères · 34 écrans

Aozora Bunko

五

」

月の光りが急に明るくなってきて、広い砂浜が蒼白く輝らし出された。

五

彼は朝早く起きるのが好きだった。鶏の声が聞えて東の空が白む頃から、何物にも遮られない、仄白い――而も澄み切った朝明りとなった。ここ荒海の岸辺では、夜と昼との境をなす朝霧は、一度夜が明けてから後に初めて、森や部落のまわりに立ち罩めるのだった。黎明の頃は大気が澄みきっていた。日出前に東の空へきまって出てくる黒雲の縁が、黄や紅に彩られて、それがじかに朝明りの中へ反射した。魂の底まで浄められるような曙だった。

「姉さん起きなさいよ。日の出を見に行きましょうよ。」

二三度掻ぶられて、姉は漸う眼をこすりながら起き上った。まだ一度も、海から太陽の出る所を見たことがなかった。

「そりゃ何とも云えねえぞうー。見た者でなきゃあ分んねえ。」

水瓜を売りにくる婆さんがそう云った。だが、日出時の東の水平線は大抵雲に閉されていた。

「晴れてるの。」と姉は尋ねた。

「ええ。」

曖昧な調子の返辞だったが、それでも姉は起き上ってきた。

これが例の二葉より香しというあの木かしらと怪しんだ、大きな旃檀の木の下に転ってる、木の切株の上にあがって、更に爪先で伸びあがって、東の空を透しみたが、まだ黝ずんでる大空の色と見分け難いほどのものが、低く横ざまに流れていた。