Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

げつめい

月明

豊島 与志雄

Lisez 月明 (げつめい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 772 caractères · 34 écrans

Aozora Bunko

」

膝までしかない所に坐って、手先でじゃぶじゃぶやってる俊子へ、姉は川の真中から呼びかけた。満潮にさえならなければ、何処でも背のたつ浅い川だったけれど、俊子は決して中程まではやって来なかった。

「教えてあげるは大きいや、」と彼は引取って云った、「自分でよく泳げもしないくせに。」

「何を云ってるの。じゃあ泳ぎっくらをしましょうか。」

「しよう。」

せいぜい二十間ぐらいしか泳げない姉だったが、いつまでも後からのこのこついて来た。よく見ると泳ぐふりをして歩いてるのであった。彼は少し速力をゆるめて、姉が近づいた頃合を見計って、いきなり水にもぐった。足を捉えて引きずり込んでやるつもりだった。が……その足が見当らなかった。暫くしてひょいと水から首を出してみた。姉は早くもそれと察して、俊子の方へ逃げ出していた。彼は追っかけていった。姉は漸く俊子の側まで逃げのびると、俊子の腕につかまって、息を切らしながらも笑っていた。

俊子と一緒では仕方がなかった。それでも癪だったので、水をぶっかけてやった。

日の光りの中にぱっと水抹が立って、その下から、

「お止しなさいよ……そんなこと……卑怯よ。