Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
げつめい
月明
豊島 与志雄
Lisez 月明 (げつめい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 772 caractères · 34 écrans
俊子が何処かに立ってるような気がした。
薄曇りの佗びしい夕方だった。かさかさと枯葉の音がする。それが胸にしみ渡った。耳を澄していると、静に表の格子を開く音がした。それから一寸間を置いて、喘ぐような声で、
「急いで来たものだから息が切れて。」
「御免なさい、ふいにお呼びして。」
「いいえ。そんなにお悪いの。」
「それがねえ……、」
とだけ聞えた。
玄関でひそひそ話してるのは、姉と俊子だった。
彼は我を忘れて立ち上った。頭がかっとして胸騒ぎがした。まごまごしてる所を、玄関から上ってくる俊子とばったり眼を見合った。どうにも出来なかった。頭を垂れて、其処に坐った。熱い塊りが胸の底からこみ上げてくるのをじっと堪えた。
俊子はつかつかとやって来た。
「御病気ですってね。ちっとも存じなかったものですから……。」
それを姉が側から引取った。
「いえ、病気というほどのことじゃないのよ。神経衰弱ですって。」
「そう。」
一寸まごついた其場しのぎの返事をして、姉と意味ありげな目配せを交した後に、また彼の方へ向いて、
「海は頭に余りよくありませんのよ。私も帰ってから四五日の間は、何だかぼんやりしていましたわ。