Classiques japonais avec furigana
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きにのぼったこども
木に上った子供
小川 未明
Lisez 木に上った子供 (きにのぼったこども) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 835 caractères · 8 écrans
」と叫びました。そして、彼は、夜の風に吹かれて、いつまでも外に立っていることがありました。
「辰吉や、風をひくといけないから、家へお入り。」と、おばあさんは、家のうちから呼びました。
すると、辰吉は家へはいりながら、
「僕、お母さんの星を見ていたのだもの。」といいました。このとき、おばあさんは、しわの寄った大きな手で、辰吉の頭を黙ってなでなされたのであります。
辰吉が、やっと十二になったときでありました。
おばあさんから別れて、五、六里も隔たった、ある村へ奉公にいかなければならなくなりました。
はじめて、知らぬ家へきた辰吉は、さびしくて、朝、晩、人のいないときには、「おばあさんは、いまごろどうしていなさるだろう。」と、思い出して、目にいっぱい涙をためていました。
この家の主人は、どちらかいえば、厳格すぎる人でした。「うんと働かなくちゃ、いい人間になれない。」といって、辰吉に、いろいろなことをいいつけました。
辰吉は、使いにやらせられたり、水をくませられたり、いろいろなてつだいをして休む暇もなかったのです。こんなとき、どんなに、やさしかったおばあさんのことを思い出して、なつかしく思ったでありましょう。