Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こだま
木精
Lisez 木精 (こだま) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 628 caractères · 6 écrans
そしてまたじいっとして待っている。
もう答えるはずだと思う時間が立つ。
山はひっそりしていて、ごうごうという谷川の音がするばかりである。
また前に待った程の時間が立つ。
聞こえるものは谷川の音ばかりである。
これまではフランツはただ不思議だ不思議だと思っていたばかりであったが、この時になって急に何とも言えない程心細く寂しくなった。譬えばこれまで自由に動かすことの出来た手足が、ふいと動かなくなったような感じである。麻痺の感じである。麻痺は一部分の死である。死の息が始めてフランツの項に触れたのである。フランツは麻のようなブロンドな髪が一本一本逆に竪つような心持がして、何を見るともなしに、身の周匝を見廻した。目に触れる程のものに、何の変った事もない。目の前には例の岩が屏風の様に立っている。日の光がところどころ霧の幕を穿って、樅の木立を現わしている。風の少しもない日の癖で、霧が忽ち細い雨になって、今まで見えていた樅の木立がまた隠れる。谷川の音の太い鈍い調子を破って、どこかで清い鈴の音がする。牝牛の頸に懸けてある鈴であろう。
フランツは雨に濡れるのも知らずに、じいっと考えている。