Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りんご
林檎
豊島 与志雄
Lisez 林檎 (りんご) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 752 caractères · 24 écrans
そしていろんな幻を見たようだったが、いつしかうっとりと寝込んだらしい。
私が眼を覚した時には、もう白々と夜が明けていた。車室の中がざわめいているのに、喫驚して身を起すと、汽車は浅虫を出たばかりの所だった。もうじきに青森だなと思って、下車の仕度に枕の空気を出しかけて、ふと気付いて眺めると、前の席の男は、やはり腰掛の真中に棒のように坐っていたが、頭を軽く動かしながら、如何にも嬉しそうな笑顔をにこにこさしていた。私はその笑顔を眺めて、軽い驚きを覚えた。夜分に電燈の光で見た彼の笑いには、何だか呆けた空洞な無気味さがあったけれど、それが、今は、夜明けの微光に輝らされたせいばかりではなく、如何にも晴れやかな輝きに充実してるようで、自ずと人の心を惹きつけるものを持っていた。それでもやはり、彼の眼には仄白い曇りがかかっており、彼の薄い唇にはだらけた弛みがあり、額や頬の皮膚は色艶の褪せただだ白さを示していた。そういう眼や口や頬に、どうしてそんな輝かしい笑いが浮べられるか、全く不思議なほどだった。而も私がなお驚いたことには、通路を挾んだ斜め向うの子供が、彼の正面の腰掛の――私が坐ってる腰掛の、先の所まで歩いてきて、其処のところに両手でつかまりながら、彼の笑顔ににこにこ応じてるのだった。