Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かきいろのかみふうせん
柿色の紙風船
海野 十三
Lisez 柿色の紙風船 (かきいろのかみふうせん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 032 caractères · 28 écrans
私はスルリと電柱の蔭に隠れて、とうとうこの間抜け探偵をやりすごした。
私はすぐに円タクを雇うと、両国へ走らせた。国技館前で降りて、横丁を入ってゆくと、幸楽館という円宿ホテルがあった。私はそこの扉を押した。
三階へ上り、部屋からお手伝いさんを追い出すのももどかしかった。宿泊料とチップを受けとって、ふくら雀のようなお手伝いさんが出てゆくと、私は外套を脱ぎ、上衣を脱いだ。そして持ってきた包みをベリベリと剥がした。ナイフなんか使う遑がない。すべて爪の先で破った。
出て来た出て来た。
「柿色の紙風船だァ!」
外の紙風船は、室内にカーニヴァルの花吹雪のように散った。
「これだ、これだッ」
とうとう探しあてた柿色の紙風船だった。私の眼は感きわまって、俄かに曇った。その泪を襯衣の袖で横なぐりにこすりながら、私は紙風船の丸い尻あてのところを指先で探った。
「オヤ?」
どうしたのだろう。尻あてのところに確かに手に触れなければならない硬いものが、どうしても触れないのだ。そこはスケートリンクのように平坦だった。
「そんな筈はない!」
怺えきれなくなった私は、尻あてに指先をかけると、ベリベリと引っぺがした。