Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えいぞうのし

栄蔵の死

宮本 百合子

Lisez 栄蔵の死 (えいぞうのし) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 38 295 caractères · 77 écrans

Aozora Bunko

格子の前で、かすかに震える手から車夫にはらってから、とげとげした声で、

御免

と云った。

内から首を出したのは、思い通りお金であった。

栄蔵は一寸まごついた様に、古ぼけた茶の中折れを頭からつまみ下した。

「おやまあ、これはこれは御珍らしい。

さあ、どうぞ、お上んなすって。

と、栄蔵の手から軽い、すべっとしたカバンを受けとって、

「お前、お待ちかねの方が御出でだよ。

と奥へ怒鳴った。

通された茶の間めいた処に座って、お金が、格子に錠をかけ、はきものの始末をつけて来るまで、周囲の様子を見廻した。

柱でも、鴨居でも、何から何まで、骨細な建て工合で、ガッシリと、黒光りのする家々を見なれた目には、一吹きの大風にも曲って仕舞いそうに思われた。

小道具でも、何んでもが、小綺麗になって、置床には、縁日の露店でならべて居る様な土焼の布袋と、つく薯みたいな山水がかかって居た。

お金は、すっかり片づけて来て、兄の前にぴったりと平ったく座ると、急にあらたまった口調で、無沙汰の詫やら、お節の様子などを尋ねた。

「ほんにねえ、

私も今度の事じゃあ、どんなに苦労したかしれやしないんですよ。