Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

Lisez 桑の木物語 (くわのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 815 caractères · 79 écrans

Aozora Bunko

兄を左門松太郎という。武家では双生児を嫌うので、生れるとすぐ里子にやられた。杏花亭はただ「町家」と記しているが、詳しくいうと浅草六軒町にある「舟仙」という舟宿であった。

父の忠左衛門はもの堅い性分で、留守役という社交的な勤めにいながら、酒も多くはたしなまず、たった一つ金魚を飼うという趣味のほか、碁将棋も知らないというふうだった。しかし祖父の勘右衛門はかなり道楽者だったらしい。杏花亭が記しているように、ずっと老年まで吉原や深川あたりでよく遊び、酒もつよいし、荻江一中などの俗曲にも通じていたし、虚木という号で俳諧にもだいぶ凝ったそうである。――そんな関係から「舟仙」をひいきにしたのだろう、よほど気にいったとみえて、あるじ仙吉は上屋敷の家へもちょくちょくきげん伺いに来た。またおつねという女房なども、季節の魚を持ったりして、台所へあらわれることが珍しくなかった。

悠二郎を舟仙へあずけたのは祖父の勘右衛門である。父は反対であった。なんにしたところで武家の子をあずける環境ではない、母のかな女も眉をひそめたのであるが、虚木老はさも心得たというくちぶりで、

――こいつの相貌をみるに、どうもおれに似た道楽者になるらしい、だから舟宿などへあずけるのも、毒を以て毒を制する法である。