Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

Lisez 桑の木物語 (くわのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 815 caractères · 79 écrans

Aozora Bunko

と云われたそうで、それからは誰も頼みをきいて呉れる者はなかった。

――お祖父さんも死んでしまった。

せめて祖父でもいて呉れたら、不平を訴えることもできるし、慰めても貰えるであろう。だが今はもうそういう相手もない。父は老職で勘定奉行を兼ね、兄は左門となのって納戸方吟味役になっている。母はもちろん愛して呉れているが、おつねのようにじかな愛しかたではない、どこかに風のとおるような隙がある。――彼は自分が孤独だということをはっきり感じた。そしてどうにもやりきれなくなり、じりじりして外へとびだすが、どこにも気のまぎれるあてはなく、ついしぜんに舟仙へ足が向いた。

それでもまだそのころは希望があった。正篤は待てという、追って沙汰をすると云うのである。そのうち本当に呼ばれるかもしれない、そういう希望もなくはなかった。――それが十月になって、ある日さっぱりと解決したのである。任免の衝に当る老職に呼ばれ、いよいよお召しかと胸をわくわくさせていった。ところがその老職は、「おぼしめすところあって今日より無役に仰せつけられる、御幼年よりの精勤を嘉賞あそばされ、お手許より金五十枚、御垢着、ならびに生涯三十人扶持を下しおかれる」