Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くわのきものがたり
桑の木物語
山本 周五郎
Lisez 桑の木物語 (くわのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 815 caractères · 79 écrans
それがいきなり着物をきちんと着せられ、生れて初めての袴をつけられ、腰にはこれも生れて初めての刀を差され、おまけに足袋まではかされた。髪もむろん武家ふうにきちっと結われているわけで、なにしろ躯じゅうが窮屈で息が苦しくって、今にも眼がまわってぶっ倒れそうな気持だった。
彼はまっ黒に日にやけ、眼ばかりぎょろぎょろしていた。忠左衛門はちらと見るなり、眉をしかめてそっぽを向いた。かな女はさすが母親である、彼のそのあさましい姿に胸をうたれ、抱きよせてぽろぽろ涙をこぼした。――兄の松太郎はびっくりして、ぽかんと口をあいて、そうして坐ったまま少し後ろへ身をしさった。悠二郎はすばやくこれを見て取り、
――こいつはたいしたこたあねえ。
こう思ってふんと軽侮の鼻を鳴らした。
祖父はこのほかにも家扶の渡辺老人や、七人の家士や、下男女中たちにも彼をひきあわせた。悠二郎はかれらがみんなくみし易いことをみぬいた。父親はにがてらしい、家来のなかで黒板権兵衛というのも、髭なんぞはやして団栗まなこで、ちょっとゆだんができないかもしれない。――だがほかのやつらはなっちゃねえ、芥子のきいてそうなやつは一人もいやしねえ。