Classiques japonais avec furigana
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ばいかのきひん
梅花の気品
豊島 与志雄
Lisez 梅花の気品 (ばいかのきひん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 397 caractères · 5 écrans
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それはまた、梅花の気魄である。霜雪の寒さを凌ぎ、自らの力で花を開き、春に魁けして微笑み、而も驕ることなく、卑下することなく、爛漫たる賑かさもなく、荒凉たる淋しさもなく、ただ静に己の分を守って、寒空に芳香を漂わしてる姿は、まさに気品そのものの気魄である。しみじみと梅花に見入る時、恐怖や蔑視や悲哀や歓喜など、凡て心を乱すが如き情は静まって、ただ気高き気品の気魄に、人は自ら打たるるであろう。
気品はそれ自身の性質からして、清浄なる白色たるべきである。赤や青や黄など、何等かの色に染められた気品は、世に存しない。固より、赤や青や黄や紫など、そういう色彩が持ち得る気品はあるけれども、気品そのものの色はどこまでも白色である。然し単に白色のみでは足りない。純白の気分を破らない程度に於て、何等かの点彩を要する。鮮かなる一点の色彩を包んだ純白、それが気品の色である。
この気品の色はまた、梅花の色に見らるる。黎明や薄暮の微光の中に浮出す、ほの赤きまでの白色、白昼の外光や深夜の闇の中に浮出す、ほの蒼きまでの白色、または月光に輝らし出さるる、薄紫にまがうまでの白色、その白色の花弁の中に、花粉の黄を小さく点出した色彩は、気品そのものの色彩である。