Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばいしのつえ
梅颸の杖
吉川 英治
Lisez 梅颸の杖 (ばいしのつえ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 966 caractères · 32 écrans
みせるぞという凄い盗児のよくやる挑戦的な揶揄にちがいない――と、こう二様の考え方が相違した結論を出した。
山陽は、どっちとも考えなかったが、やはり母の解釈をそのまま持たせておきたい気がした。けれど又、学者気質のほかに大坂町人の特質をも多分に持って、計数もたしかなら世俗にも通じている小竹のことばをも、そう一概には笑えなかった。
×
戸を閉ててから、裏の川波の音が、よけいにしんと耳につく。
もう母は眠ったらしい。
小竹と二三の者も帰り、松蔭も別間へ退がって寝んでからは、厚い夜具の行儀よく二つ並べられた部屋は、梅※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)と山陽だけの水入らずになった。
叔父の杏坪の噂、春風の消息、郷里の家にのこして来たままもう二十四にもなって、家事の納まらない山陽の長子の余一夫婦のこと。
何くれとなく、彼が寝もの語りに訊いているうちに、梅はかすかな寝息をかいて、返事をしなくなった。
『がっかりなすったのであろう』
山陽は、そう思いながら、ふと、母の床のわきに、枕刀のように置いてある杖に目をとめた。
珍しい杖を持っておいでになる。